言語活動

授業開きで使える自己紹介の言語活動 No.1 

4月になってとても忙しい中で、ほとんどの英語の先生が、授業開きで何をしようか考える時間もないことだと思います。新年度から授業を英語で行いたいと思っていたけれども、年度初めの多忙さの中で、結局いつも通りの授業をするだけになってしまいそうになっているかもしれません。けれども、今年こそはと思っていた方は、ここであきらめないでください。初回の授業が肝心です。

初回の授業で、生徒に英語を使わせる言語活動を行うことで、「英語の授業では英語を話すんだ」という意識を持たせることができます。さらに、「この授業を受ければ、英語を話せるようになる」と思わせることができれば、生徒は意欲的に英語の授業を受けてくれることでしょう。

そこで、今回は授業開きに使えるスピーキング活動を紹介します。新入生でなくても、クラス替えがあれば、お互いよく知らない生徒同士が同じクラスになっているでしょうから、授業開きでは、自己紹介から行うのが定番ですね。

こんな自己紹介の活動は✖

ただ、良くない例と挙げられるのは、生徒1人1人を立たせて、名前を英語で言わせるだけの自己紹介の方法です。良くても英語が好きかとか何好きなものを1つ挙げさせるくらいでしょう。

例: My name is ○○. I like cats. / I don’t like English.

これで初回の50分の授業が終わります。教師からしたらとても楽な授業でしょう。このやり方のまずいところは、50分の中で、生徒が1人が発話する時間は、この10秒足らずの間だけだということです。やり取りがないのも問題です。ちなみに、英語以外の教科でもこういうことをやっている先生はかなりいいるのではないでしょうか。(私も英語教師になりたての頃、初回の授業で何をしたら良いかわからず、同じようなことをしていました。反省しています。)

自己紹介でクラスメイトとの共通点を探す

ワークシート

習熟度が高ければ、ペアやグループで自由に会話させるだけで良いかもしれませんが、比較的英語の能力が高い生徒でも、そのレベルに達していないと思われます。そこで、次のようなワークシートを使った活動をお勧めします。

このコミュニケーション活動では、相手の日常生活に関することや好きなものについて尋ねます。相手を知ることが自己紹介の目的ですが、この活動自体の目的として、相手との共通点がどれだけあるかを確認します。

自己紹介を通して、お互いのことを知り、心理的な距離が縮まっていきます。さらに、共通点があると相手により親近感がわいてくるものですよね。

ちなみに、質問は指導されている生徒に実情に合わせて、変更していただいた方が良いと思います。

手順

  1. ワークシートを配付
  2. 活動の説明
  3. 10番目の質問を考えるさせる(2分)
  4. ペアの片方が質問する(60~90秒)
  5. ペアの中で役割を交代する
  6. 座席移動してペアを変える
  7. ペアを変えながら複数回行う
  8. クラス全体で一番共通点が多いペアを確認する

指示の英語

英語の指示は以下のように出します。

②活動の説明

I think you don’t know each other well so far. That’s why I would like you to get to know each other today. Look at the worksheet. You will ask these ten questions to your partner. Then count the things in common with your partner. For example, if you live in Yokohama, and your partner also lives in Yokohama, check the box here. And if you have four things in common with your partner, write “4” at the bottom. Don’t forget your partner’s name in the top box.

③10番目の質問を考えるさせる

Also, you should make the question No.10 by yourself. You will have two minutes to think about it. Now, let’s begin.

ペアワークの流れを具体的にイメージするには、こちらの記事が参考にしてください。

スピーキング活動のOutline

コミュニケーション活動を成功させるコツ(基本編)

参考文献

この活動を考える際に参考にさせていただいた書籍が2冊あります。1冊目は、『話せる!書ける!英語言語活動アイデア&ワーク66』で、「クラスメイトとの共通点をいくつ見つけられるか」というアイデアを拝借しました。

また、『英語教師のためのフォーカス・オン・フォーム入門 成功するタスク&帯活動アイデア』からは、ワークシートの作りのアイデアを得ました。

どちらの書籍も自分の授業に利用できるアイデアが満載です。中学生用となっていますが、高校の授業にも応用できます。

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