今回は、動名詞の慣用表現を定着させるための活動を紹介します。
この活動で扱う動名詞の慣用表現は次の5つになりますが、これらにこだわる必要はなく、教科書で扱われている他の動名詞の慣用表現があれば、そちらを利用しても問題ありません。
- It is worth doing~ 「~する価値がある」
- It goes without saying that ~「~は言うまでもない」
- It is no use doing~ 「~しても無駄だ」
- Not doing (動名詞の否定形)
- I can’t help laughing~ 「~せずにはいられない」
Not doing(動名詞の否定形)は、慣用表現とは言えませんが、習得してもらいたい文法事項なので、ここに含めました。
この活動は、自分と相性の良い人を探すために、自分のbeliefs(価値観・信念)に賛成してくれるかどうかを聞いて回ります。相手が賛成してくれる数が多く、かつ自分が賛成する数が多いほど、相性が良いという判断にします。自分のbeliefs(価値観・信念)を表現するために、上で示した動名詞の慣用表現を使用します。
Worksheet
まずは、worksheetを確認してください。基本的に、このworksheetに従って授業を進めていただければ、うまくいくと思います。
Find someone who has the same beliefs
1. What are your beliefs? Write your beliefs in the table below.
No. | Your beliefs |
(1) | It is worth( ). |
(2) | It goes without saying that ( ). |
(3) | It is no use ( ). |
(4) | Not ( ) is [ good / bad ] for health. |
(5) | I can’t help ( ). |
2. Matching Find your best match by asking your classmates if they agree with your beliefs. Follow the conversation format below.
[Conversation Format (1)-(4)]
A: I believe ( ). What do you think?
B: I think so, too / I don’t think so. ( )
[Conversation Format (5)]
A: I can’t help ( ). How about you?
B: Same here. / Not for me. ( )
*Put a ✔ in the table if either you or your partner agrees.
Partner 1 ( ) | Partner 2 ( ) | Partner 3 ( ) | ||||
Belief | Yours | Partner’s | Yours | Partner’s | Yours | Partner’s |
1 | ||||||
2 | ||||||
3 | ||||||
4 | ||||||
5 |
Outline
この活動に入る前に、例文や文法ドリルなどで、5つの動名詞の慣用表現の意味を確認しておきましょう。慣用表現をある程度理解したことを前提にしてこの活動を行います。
Outlineは以下の通りです。
1.What are your beliefs?
(1)-(5) にbeliefsを記入させます。記入には、少なくとも10分程度は必要だと思います。
2. Matching
ペアになり、Converasation Format沿って、beliefs(価値観・信念)に賛成できるかを聞くように指示します。質問された方は、賛成か反対かを言うとだけでなく、理由などを付け加えるようにします。活動前に、以下のような例を示すと、生徒が活動内容を理解しやすくなります。
[Conversation Format for (1)-(4)]
A: I believe (it is worth sleeping a lot. )What do you think?
B: I think so, too. ( I should get enough sleep for my health).
(1)-(4)までは同じConversation Formatを利用し、(5)だけは違うものを用いることを説する必要があります。(5)は以下のような会話が想定されます。
[Conversation Format for (5)]
A: I can’t help eating sweets. How about you?
B: Not for me.( I’m going on a diet ).
ただ例を説明するだけでなく、生徒1人に協力してもらい、教師と一緒にクラスの前でデモンストレーションを見せると良いでしょう。
お互いが自分のbeliefs(価値観・信念)に賛成かどうかを聞き終わったら、ペアを変えていきます。所要時間は、4~5分程度だと思います。
なお、話す活動の基本的な進め方を知りたい先生は、こちらが参考にしてください。
表の使い方
まず、ペアを作りパートナーの名前を( )会話をしながら、相手が自分のbeliefs(価値観・信念)に賛成してくれたら、Yours の欄に✔を入れていきます。自分が質問を受ける側のとき、相手のbeliefs(価値観・信念)に賛成する場合は、Partner’sの欄に✔を入れていきます。合計で10個✔がつくと、そのペアの相性はぴったりということになります。
おわりに
以上が、動名詞の慣用表現を定着させる活動になります。この活動は時間がかかるので、ウォームアップとして利用したい場合には、以下のようにアレンジも可能です。
- beliefs(価値観・信念)の数を3つ程度に減らす
- 賛成か反対かを言うだけにして、追加で理由等を言わせない
あるいは、慣用表現の数をもっと増やしたり、ペアを組む回数を増やすと授業1回分を使う活動にもなります。
また、beliefs(価値観・信念)を慣用表現を1つだけに絞り、それについて1分間程度やりとりをさせるというのもありでしょう。
ちなみに、今回の活動は以下の書籍からアイデアをいただきました。この本は、中学校での英文法指導の活動が豊富に掲載されています。この本のアイデアをうまく応用すると、今回紹介した活動のように、高校向けの活動を作ることができます。ぜひ参考にしてみてください。