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はじめに
英語の授業で、どのようにすれば、生徒が英語を話すかを知りたい先生がたくさんいらっしゃると思います。ここでは、生徒がペアで会話するスピーキング活動の実際的な流れを紹介します。以下が1回のスピーキング活動の流れです。およそ10分~15分程度かかります。字授業の初めに、Warm-up活動として導入してみてはいかかでしょうか。
Outline for Speaking Activity |
1. Check a topic |
2. Preparation time (1min) |
3. Talk with a partner ( 30 seconds each) |
4. Change pairs and talk with a new partner (30 seconds each) |
5. Change pairs again talk with another new partner (30 seconds each) |
6. Share their ideas or stories with class |
Check a topic
当たり前ですが、まずは何について話すかを提示します。例えば、夏と冬のどちらが好きかがトピックのときは、
英語の指示:The topic for today’s speaking activity is “Which do you like better, summer or winter?” You will talk about this topic in pairs.
という導入をすれば良いでしょう。
Prepation time (1 min)
話すテーマを与えられて、準備時間なしでいきなり話始められるのは、かなり英語の力が高い生徒だけでしょう。したがって、どんなことを話すのか、それを英語でどう伝えるのかを考える時間を与える必要があります。指示の出し方は、次の通りです。
英語の指示:You have one minute to think about this topic. / I’ll give you one mitute to prepare for the conversation.
英語で話す前に、しっかり準備時間を取ってあげましょう。準備のときに辞書を使わせても構わないです。英語の習熟度がかなり高い高校生でも、使える語彙(発表語彙)の数はかなり限られているので、準備段階で、英語で何と言ってよいかわからなかった語彙は事前に調べておいた方が、会話の流暢さが高まるでしょう。また、辞書で調べた英単語を使うことで、その単語を覚えられる可能性が高まるのだと思います。辞書を使わせるときは次のように指示します。
英語の指示:You can look up some words in your dictionary.
辞書の使用に関しては、議論が分かれるところだと思います。自分が知っている語彙を駆使して話すことが大事だという立場に立つといきなり辞書を使うのは好ましくないでしょう。辞書を使わせないのは、既知の語彙だけでコミュニケーションを図ろうとする方略的能力を養おうとする考えに基づいているのだろうと思われます。ただ、辞書で調べられた単語以外でも、表現できないことはたくさんあると思うので、コミュニケーションは活動では、辞書を事前に使用して、方略的能力は育つのではないでしょうか。
Talk with a partner ( 30 seconds each)
机を移動させる
机を向かい合わせてペアを組みます。
英語の指示:Move your desks and face your partner.
じゃんけんで順番決め
ペアを作ったら、じゃんけんでどちらが先に話すのかを決めます。
英語の指示:Make pairs, and do rock-paper-scissors.
(じゃんけんが終わったら)
Winners, look at the screen and describe it to your partner. You have three minute. Ready, set, go!
(30秒経過したら、次に、もう片方が話します)
英語の指示:Time is up. / Stop the convesation. Now, switch/swap roles. Ready, set, go!
生徒がペアワークをしている間は、教室を歩き回り、生徒の間違えていれば訂正したり、英語にできない表現があれば、その英語を教えたりしましょう。できれば、活動の終わりでクラス全体で共有するときに、お手本になったり、笑いがとれたりするような話をしている生徒を探しておけると良いでしょう。
Change pairs and talk with a new partner ( 30 seconds each)
1度だけではなく、何度か繰り返し練習をすると、生徒の発話の流暢さ(Fluency)が向上してきます。ただし、ペアを変えないと、パートナーの同じ話を繰り返し聞くことになるので、ペアを変えてあげた方がよいです。ペアを変えるときの指示は以下の通りです。
英語の指示:Now, move clockwise and change pairs. Do rock-paper-scissors.Ready, set, go!
ペアの変え方は、コミュニケーション活動を成功させるコツ(基本編)を参考にしてください。
Change pairs again talk with another new partner (30 seconds each)
1回目のペアチェンジと同様のことをします。ちなみに、このように複数の生徒と会話することは、英語の授業を離れて、普段の学校生活における人間関係を作る役に立っているように思います。次のような支持を出しましょう。
英語の指示:Move clockwise and change pairs again.
Do rock-paper-scissors.Ready, set, go!
時間があれば、さらにペアを変えて、活動を続けても良いかもしれませんが、4回くらいで生徒は飽きてしまうと思います。
数名が発表する
数回練習させたら、自席に戻らせ、元の状態に戻します。
英語の指示:Go back to your seat. Move your desks back.
自席に戻ったら、コミュニケーション活動のまとめとして、数名に発表させます。以下のように聞いてみましょう。
英語の指示:Could you share your idea /story, ○○?
※自席に戻る前に発表させるのもありだと思います。自席に戻ってから発表か、発表を終えてから自席に戻るかは、お好みでお選びください。
ただ発表させて終わりにしない
発表させてそのまま終わりではなく、発表内容についていくつか質問し、クラス全体の前でやりとりをしましょう。発表している生徒の会話練習になるだけでなく、他の生徒もこのやりとりを見て、何をどう質問するべきかなど、学ぶことがあります。
また、リキャストをして、文法の誤りに注目させても良いでしょう。リキャストとは、生徒の英語が間違っていたときに、教師が正しい文に言い直して、間違いに気づかせる方法です。
例えば、次のようなやり取りが考えられます。
Student : I went to shopping last weenkend.
Teachier : Oh, you went shoppting last weekend.
訂正する箇所を大きな声でゆっくり言ってあげます。
終わりに
以上がスピーキング活動のOutlineです。このOutlineに沿って、スピーキング活動を継続していけば、生徒の話す力は確実に伸びていきますよ。