多読に取り組むには、まず英語の読み物をそろえなくてはなりません。多読用の本はたくさん出回っており、どの本から読ませればいいか迷ってしまいがちですよね。そんな数多くある選択肢の中で、IBCパブリッシングの「ステップラダーシリーズ」は多読教材として非常に優れています。
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「ステップラダーシリーズ」とは?
IBCパブリッシングの「ステップラダーシリーズ」は、多読導入の教材としてとても優れています。このシリーズには、Level 1~3があり、それぞれ英検5級~3級に相当します。同じIBCパブリッシングから出ている「ラダーシリーズ」はLevel 1~5までで、英検4級~準1級以上に対応しているため、「ステップラダーシリーズ」は「ラダーシリーズ」より易しいか、同レベルの英文を扱っていることになります。ラダーシリーズも多読教材として優れていますが、特に多読の入門期には「ステップラダーシリーズ」をお勧めします。
ステップラダーシリーズの優れている点
なじみのある物語を扱っている
「ステップラダーシリーズ」は、とりわけ初めて多読に取り組む学習者に最適な教材です。その理由として、まず生徒になじみのある物語を扱っている点が挙げられます。話の内容を知っているため、比較的すらすらと読み進めることができます。見開きページごとに日本語で書かれたあらすじがあるため、内容が全くわからなくなることもありません。
ページごとの語数表記がある
英語学習者を考慮した構成になっている点も優れています。語数が表示されていない多読用の本もありますが、このシリーズではページごとの語数と総語数が表記されています。多読では、モチベーションを高めるために読んだ語数を記録することが推奨されるため、読んだ語数を把握することが重要です。また、面白くない本は途中で読むのをやめても良いとされていますが、その場合でも少しでも読んだ語数は記録した方がよいので、読んだ箇所までの語数がわかるのは便利です。
ワードリストに語彙が全て載っている
さらに、使用されている全ての語彙の日本語訳が掲載されたワードリストも役立ちます。多読では、原則として辞書を使わずに文脈から意味を推測したり、読み飛ばすことが求められますが、推測が困難だったり、どうしても意味が気になる単語がある場合、このリストが役立ちます。
日本人学習者向けである
日本の出版社が発行しているため、日本で英語を勉強している学習者に適した語彙や表現が使われている点も見逃せません。多読の入門用としてよく利用されている洋書には、日本人学習者には馴染みのない単語や表現が含まれており、意外と難しいことがありますが、「ステップラダーシリーズ」ではそのような単語や表現はほとんどなく、あったとしても上述したようにワードリストがあるため、ストレスを感じることなく読み進められます。
無料音声ダウンロード付き
無料で音声をダウンロードできる点も他の多読教材にはない利点です。多読の問題として、音声インプットがないことが挙げられますが、読んだ内容を音声で聞くことで、リスニング力の強化にもつながります。
コストパフォーマンスが良い
最後に、1文字あたりのコストパフォーマンスが非常に優れています。多読の入門用としてよく利用されている洋書は、1冊あたり300語程度ですが、「ステップラダーシリーズ」は1冊あたり2,500語から7,000語程度です。多読活動では原則として読んだ語数をカウントするため、1文字あたりの価格というのはコストを考える上で重要な観点になります。学校で多読教材を購入する際に、予算の問題が出ることがありますが、「ステップラダーシリーズ」は多読活動のために本を購入する際にも、十分な冊数を揃えられないという問題を解決してくれるかもしれません。
おわりに
以上が「ステップラダーシリーズ」を多読教材として利用するべき理由になります。これまでの生徒の様子を見ていると、特にこちらから勧めなくても、他のシリーズよりも「ステップラダーシリーズ」はよく読まれているようです。既に述べたように、馴染みのあるストーリが扱われていることが理由なのかもしれません。