今回は、助動詞+have+過去分詞の理解を深めるのと同時に英語を話す力を高めるアクティビティを紹介します。”Evidence”と名前です。ここでは特に、must have 過去分詞と cannot have 過去分詞に焦点を当てていますが、may have 過去分詞やshould have 過去分詞にも応用でき
助動詞+have+過去分詞は、教える側からしたらそれほど難しくはないと思うのですが、意外と定着していないものです。私自身も教えたのに生徒は全然覚えてくれていないなと感じたので、今回紹介する活動を作りました。
<文法説明> 助動詞+have+過去分詞=過去の推量
このアクティビティは、文法の知識をがあることを前提にしているので、事前に助動詞+have+過去分詞を学習していることが前提になります。
文法を説明するときは、冗長にならず、なるべく端的に説明したいものです。注意するべきなのは、比較的英語が得意な生徒でも、中学校で習っているはずの助動詞の推量の意味をしらないことがあるということです。
そのため、いきなり助動詞+have+過去分詞の説明するのではなく、mayやmust,cannotの推量の意味を確認した方がよいでしょう。
そのうえで、must have 過去分詞「~したに違いない」may have 過去分詞「~したたかもしれない」cannot have 過去分「~したはずがない」というように、助動詞+have+過去分詞は過去の推量を表すということを教えれば良いでしょう。
<アクティビティ> Evidence
それでは、”Evidece”の紹介をしていきます。ここでは、must/cannot have 過去分詞を扱います。
Outline
生徒はペアになり、ペアの1人だけがスライドを見ます。スライドには、must/cannot have 過去分詞を含む英文が投影されます。英文を読んだ生徒は、相手がスクリーンに書いてある英文を当てられるように、その状況が起こったことが推測できる根拠を想像し説明します。答える方から、スクリーンと同じ英文が出てきたら終了です。状況の説明は1度で終わらせず相手の理解に応じて追加していくように指示します。
以下の流れで行うと良いでしょう。
- アクティビティの説明
- ペアをつくりじゃんけん
- 勝った方だけスクリーンを見る
- 英文の状況が起こったことが推測できる根拠を説明する
- 役割を交代する
アクティビティの説明
生徒に説明するときは、以下のExampleを使います。その際、生徒1人に協力してもらいます。その生徒にスクリーンを見ないように指示し、協力してくれる生徒に、スクリーンに何と書いてあるか当てるように指示します。must have 過去分詞を使った文であることは事前に教えます。スクリーンには、以下の英文を映します。
Example:My brother must have eaten my cake in the fridge.
教師は、例えば英文に書かれている状況が起こったと思われる根拠を次のように説明します。
”My cake in the fridge is gone. I find whipped cream around my brother’s mouth.”
この説明を聞くとほとんどの場合、 ”must have eaten the cake”という要点はわかっている答えが返ってきますが、冠詞や所有格の間違いは散見されます。ただ、そうしたローカルエラーはこちらで訂正して言い直してあげる程度にして、”must have eaten the cake”ができていて、意味内容が伝われば問題ないという観点で見てあげましょう。これは実際の活動でも同様です。
Evidence
以下が私のクラスで実際に使った英文です。参考にしていただけたら嬉しいです。
(1) The dog must have eaten the cookies.
(2) It must have rained.
(3) My friend must have missed the train.
(4) My classmate must have studied hard for the exam.
(5) It can’t have rained.
(6) The teacher cannot have taken a shower.
(7) The students cannot have cleaned the toilet.
(8) The student cannot have done the homework.
生徒が楽しく取り組めるように少し笑ってしまうような文を入れてあります。また最初は教科書と同じ表現を用いると取り組みやすかもしれません。
まとめ
今回は、Evidenceという助動詞+have+過去分詞の理解を深めるとともに、英語を話す力を伸ばす活動を紹介しました。冒頭でも述べたように、このアクティビティは、must / cannot have過去分詞だけでなく、may have 過去分詞やshould have 過去分詞にも応用でますので、いろいろと試していただければと思います。
ただ、この活動はある程度の話す力が求められますので、ご指導されている生徒によって難易度が高いかもしれません。その場合は、何かが起こったことを推測した英文を読んで、助動詞+have+過去分詞の英文を考えるというアクティビティを行う方法もあります。