リスニング対策をしているけれど、リスニングのスコアが上がらないという人が多い気がします。なかなか結果が出ないのは、勉強方法が間違っているからかもしれません。
そんなリスニングでお悩みの方に、効果的なリスニングの学習方法を紹介したいと思います。TOEIC 860点(リスニングセクションで、450点くらい)に届かない人にはぜひ参考にしてほしい内容です。
Contents
リスニング力を伸ばす学習ステップ:概要
ここで紹介する方法はシンプルです。「1つの音声を完璧に聞き取って理解できるまで繰り返し聞いて、声に出して練習する」というもの。おおまかな流れは以下の通りです。
- リスニング問題を解く
- 答え合わせをする
- 音声を聞き直し、間違えた問題の根拠を探す
- 解答の根拠以外の部分も理解できているか確認する
- スクリプトを読む
- パラレルリーディング(音声に合わせて読む)
- シャドーイング(スクリプトなしで発音)
NGなリスニング学習法
この「繰り返し聞く」とは正反対の学習をしている人が意外と多い気がします。
例えば、TOEICのリスニングの問題を解いたとします。答え合わせをして解答を読んでそのまま終わりにしている人が多いのではないでしょうか。答え合わせをして、正解とスクリプトを見て、何となくわかった気になって、問題の音声も聞き直さないで、勉強は終わりというパターンです。
もちろん、その問題の英語が完全に聞き取れていて余裕で正解しているというのであればそれで構いません。ただ、1問でも間違えているのであれば、その問題の英語をほぼ完璧に聞き取れるようになるまで繰り返し聞くべきです。
同じ教材を何回も反復して学習するのは、語学学習の基本です。リスニングも同じ音声を繰り返し聞くことで学習効果が非常に高くなります。
問題を解いてから、答え合わせをした後から、リスニングの勉強が始まりなのです。
答えの根拠を聞き取る
間違えた問題は、音声を聞くだけで解き直す
答え合わせをした後で、すぐにスクリプトを見るのではなく、間違えた問題の解答の根拠がある場所を探しながら、もう一度音声を聞きます。
TOEICのPart 3の問題形式の例を見てみましょう。
[Woman] Hi, this is Linda from GreenTech. I’m calling to confirm your appointment for tomorrow at 2 p.m.
[Man] Oh, thanks for the reminder. I’ll be there. By the way, where exactly is your office?
[Woman] We’re located on the third floor of the Green Building, right next to the City Library.
Question: What is the purpose of the woman’s call?
- ア)To change an appointment
- イ)To confirm a meeting(正解)
- ウ)To introduce a new product
- エ)To give directions
もしこのリスニング問題を間違えたとしたら、解き直しとして音声を聞き直して、正解の根拠になるハイライト部分を聞き取って、正解に辿り着くようにしましょう。どの選択肢が正答かを忘れた状態で解き直しができるともっと良いです。
5回程度聞いてもわからない場合は、次のステップに移って構いません。経験上、5回聞いても聞き取れないものは、10回聞いても20回聞いてもわかるようにはなりません。
精聴
正答の根拠部分がある程度聞き取れたら、次は精聴です。問題の英文をすべて通して聞いて、よく聞き取れないところや理解できないところはどこかを確認します。
聞き直してもわからなければ、巻き戻してもう一度。最大5回までにしておき、集中力が切れない範囲で取り組みましょう。
もし英文の内容がほとんどわからないようであれば、その参考書は現状のレベルに合っていない可能性があります。他の、よりやさしい教材に切り替えるのが賢明です。
スクリプトを読む
音声の内容はほとんど理解できている状態になっていると思いますが、まだ不安な部分もあるはずです。ここでスクリプトを読み、不明点をチェックしましょう。
パラレルリーディング(Parallel Reading)
音声に合わせてスクリプトを読む練習法です。オーバーラッピングとも呼ばれます。
発音やリズムに慣れ、聞こえる英語と同じように自分でも読めるようになることで、リスニング力が確実に上がります。
10回程度を目安に、余裕があれば20回程度繰り返しましょう。
シャドーイング(Shadowing)
スクリプトを見ずに、英語の音声を聞きながら発音する練習です。聞いた音を模倣して再現することで、音声知覚能力が高まり、スピーキング・リーディングにも良い影響を与えます。
シャドーイングも10回を目安に繰り返しましょう。
シャドーイング否定論について
発音ができないと意味がないという意見もありますが、最初は日本語訛りでも構いません。リズムやイントネーションといった感覚は自然と身につきます。
発音の知識があれば効果はさらに高まるので、余裕がある人は並行して取り組みましょう。
まとめ
同じ英文を繰り返し聞き、発音することがリスニング力を高める王道です。
- 問題を解く
- 答え合わせをする
- 音声を聞き直して答えの根拠を探す
- 全文を理解しているか確認する
- スクリプトを読む
- パラレルリーディング(10回以上)
- シャドーイング(10回以上)
この流れで学習すれば、リスニング力の基礎が確実に身につきます。
「聞いて終わり」ではなく、「聞き切る・話し切る・理解し切る」までが、リスニング対策です。
おすすめ書籍
発音や音声の基本を身につけたいなら、まずはこの本です。私はこの著者が書いた別の本で勉強しました。残念ながらもう絶版になっていました。この本は発音を扱っていますが、同じシリーズで、音読・リスニングに焦点を絞っている本もあるようです。
少し古いですが、発音を基本から学びたい方には次の2冊もお勧めです。
シャドーイングについてもっと理解したい人には、この本がお勧めです。シャドーイングの練習をするための本ですが、冒頭で、シャドーイングの理論的背景や応用的な学習方法についての記述があるので、学習の幅を広げられます。
リスニングの学習法についてもっと深く知りたい方はこちらを参考にしてください。リスニング以外の学習法についても学ぶことができます。