授業一般

Conversation Strategies

英語の授業で、生徒に会話をさせようとすると会話を続けることができず、教室がどんよりしてまい、何となく気まずくなるということは、多くの英語の先生が経験していることでしょう。また、生徒は英語で話してはいるけれど、自然なやりとりになっていないし、盛り上がってもいないと状態を見て、もどかしい気持ちになったこともあると思います。

英語の授業で生徒にもっと話してほしいのになかなかうまくいかないと感じている先生に取り入れて欲しいのが、Conversation Strategiesの指導です。生徒にConversation Strategiesを意識させることで、途切れてしまいがちな会話を続けることができるようになります。また、やり取りが自然なものに近づき、生徒も楽しそうに話すようになります。

そもそもConversation Strategiesは、教室の外に出て、現実世界で英語で話をするときに必要なので、ぜひ生徒に身に付けてもらいたい技術です。

それでは、Conversation Strategiesとはどういうものかを見ていきましょう。

Conversation Strategiesは4種類

Convrsation Strategiesは以下の4種類に分類することができます。

  1. Rejoinders
  2. Echoing
  3. Clarifications
  4. Follow-up Questions

それぞれどういう技術なのかを確認していきましょう。

Rejoinders

Rejoindersは、相手が話したことに対して、自分の考えや感情を含めて応答することです。具体的には以下のような表現があります。

理解:I see. /Ok.

同意:That’s right. / Exactly. / I agree.

肯定:That’s nice! / That’s great! /Sounds great! / Sounds interesting! /

   Sounds fun!

同情: I’m sorry to hear that. / That’s too bad.

驚き:Really? / Oh, no! / No way! / Oh my god!

生徒にとってもなじみがある表現ばかりかもしれませんが、実際に会話で使えるようになるためには、これらを意識的に使う練習をする必要があります。

Echoing

Echoingは、相手の言ったことを繰り返す技術です。そうすることで、相手の発話へ理解や興味・関心を示したり、しっかり聞いているということが相手に伝わります。話している方は、しっかり聞いてもらえていると感じるので、気持ち良く話すことができ、コミュニケーションがスムーズになります。

Echoingの方法は2種類あります。

Partial echoing

相手の言ったことの一部を、語や句の単位で繰り返すのが、Partial echoingです。

A: I’m a ○○ student.

B: Oh, Really? a ○○ high school student!

A: I am in the brass band club.

B: Ah, the brass band club!

A: I play the flute.

B:  Oh, the flute!

というように相手の言ったことを繰り返すだけで、話をきちんと聞いているということが相手に伝わりますね。

Complete echoing

相手の言ったことを文単位で全て繰り返すのが、Complete echoingです。

A: I’m a ○○ high school student.

B: Oh, Really? You’re a ○○ high school student!

A: I come from Tokyo.

B: Ah, You come from Tokyo. That’s interesting!

A: I like playing soccer.

B:  I see, you like playing soccer! That’s cool!

全て繰り返すと言っても、上記の例のように当然代名詞は変えないといけませんが、ほとんどの生徒は直感的に適切な代名詞に変えることができるので、ここでつまづくケースは少ない気がします。

ちなみにEchoingは日本で行う普段の会話でも使えます。

 Clarifications

Clarificationsは、相手の言っていることが曖昧なときや不明瞭なときに、相手に発話の意図や意味を明確にしたり、発言を繰り返すように促す技術です。以下の表現が基本的な表現です。

Excuse me? / Sorry. / Pardon? /Can you say it again?/What does it mean? / What do you mean? / What do you mean by~?/ What is~?

生徒はこうした表現を知っているかもしれませんが、実際に使用するのは案外難しいものです。学年や習熟度にもよりますが、Excuse me?Sorry. が出てくるようになれば、まずまずと言ったところではないでしょうか。

Follow-up Questions

4つ目のConversation Strategiesは、Follow-up Questionsです。Follow-up Questionsとは、会話を続けるために、相手の話した内容に質問することです。

相手の興味を持ってたり、もっと詳しく知りたいと思えると、自然に質問が出てきて、スムーズなやり取りができるので、何も問題はありません。むしろ、あまり興味が持てない話題でも、会話が途切れるのを避けたいときにこそ、Follow-up Questionsができる能力が様々な場面で求めらるでしょう。

Follow-up Questionsは、話題に沿って質問を考えなくてはならず、会話の流れを止めないように瞬発的に頭の中で疑問文を作って発話するというのは、習熟度が高い生徒にとっても難しいようです。

ですので、Follow-up Questionsでよく使う定型表現を覚えさせておくと良いでしょう。

特に感想や意見を尋ねる表現はおさえておきたいですね。

感想・意見を尋ねる: How was it?/ How did you like it?/

         What did you think of it?/ Did you enjoy it?

また、Follow-up Questionsを指導するときに、5W1Hを再確認しましょう。

5W1H:What…? / When…?/ Where…? / Why…?/ Whicih…? /How…?

さらに、単純なYes/No qestionを使って質問してもよいことを伝えます。

Do you~? / Are you~? / Did you~? / 

他にも以下の表現を使って、種類や程度を聞くこともできます。

What kind of ~ ?/ How ( long / far / late / big ) ~ ?

先ほども述べたように、習熟度が高い生徒でも、疑問文を正しく作れないことが多い気がしますし、授業中に、会話をさせても、相手に質問するということがほとんどない気がするので、意識的に使わせて、練習させる必要があります。

まとめ

以上が、Conversation Strategiesの説明になります。Conversation Strategiesを指導することで、話し相手からの反応を得られることでもっと話そうとやりとりが自然なものに近づき、授業のコミュニケーション活動がよりスムーズになっていきまし、生徒の実践的コミュニケーション能力が高まります。まだ取り入れていない先生は、ご指導してみてはいかかでしょうか。

ちなみに、英語で話すときの技術的なことを述べましたが、Conversation Strategiesは、日本語でコミュニケーションを図るときにも意識したいことですね。英語でも日本語でも、こうした指導なしで、自然にConversation Strategiesを使いこなせる生徒がいますが、それがコミュニケーション能力が高いということなのでしょうね。

なお、Conversation Strategiesの指導法は、こちらを参考にしてください。

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