授業一般

英語の授業ワークシートを作ろう

先生方はワークシートを使って授業をしていますか?もし使っていないのなら、4月から必ず使いましょう。

ワークシートを使うことで、授業や授業以外でも様々なメリットがあります。英語教育関連の書籍に書いてありそうな理屈っぽい話ではなく、自分自身がワークシートを使った授業を行って感じたことを中心にお伝えします。

なぜワークシートが必要なのか

ワークシートがあれば、授業を英語で行える

英語で英語の授業を行うことに不安を感じている先生の多くは、ご自身が生徒だったときに、訳読方式の授業しか受けておらず、英語での授業の進め方が全くわからないのだと思います。

研究会やYoutube等の動画を通して、英語で行われている英語の授業のすばらしい実践を見ても、何かピンと来なかったり、自分の生徒には無理だとか思ったりしていませんか?

けれども、どのレベルの生徒に対してでも英語で英語の授業を行うのは不可能ではありません。私は以前、偏差値40程度の高校に勤務していましたが、そこでも授業は、基本的に英語で行っていました。ただ、その学校では同じ学年の英語を一緒に担当した先生方は文法訳読方式で教えていて、考査は学年共通の問題でした。それでも、私が受け持っているクラスの平均点の方が他の先生方のクラスよりもやや高かったのです。

どうしてそんなことができたの?と思われるかもしれませんが、ワークシートを使って授業をしたことで、英語が苦手な生徒でも、英語で行われる授業を理解でき、考査でもしっかり点数を取れたのです。英語の授業を英語で行うには、ワークシートはなくてはならないものです。

生徒の道標

ワークシートがあることで、たとえ英語で授業が行われていも、生徒が授業の流れを把握しやすくなります。特に授業を英語で始める初期段階では、生徒が指示を理解できず、何をするのかわからないと授業が滞ってしまうことも考えられます。しかし、ワークシートに従って授業を進めれば、多少英語の指示を理解できなくても、生徒が戸惑って授業が止まることはありません。

つまり、授業を英語で行うコツは、「型」にはめることなのですが、その型を生徒に見えるようする効果が、ワークシートにはあるのです。ワークシートに従って授業が進めば、迷子にならないので、生徒の不安は軽減されます。ワークシートは、いわば道標なのです。

先生も安心

生徒だけでなく、先生にとってもワークシートは授業の道標になります。「まずは、ウォームアップでペアワークに取り組ませて、本文の導入の後に、内容理解の活動をして、音読を入れて…」というように授業の流れを考えながら、英語で指示を出したり生徒とのやりとりを行うのは、慣れていないと、認知負荷がかなり高い作業になります。けれども、ワークシートがあれば、授業の流れが可視化されるので、スムーズに授業を進めることができます。

授業を英語で行うコツは、「型」であり、ワークシートがその「型」を表すと書きましたが、この「型」は、授業を行う側にとっても有益なのです。

ワークシートを使用するメリット

授業担当者で授業内容がそろう

もしワークシートを使った授業をこれから始めるつもりでしたら、同じ学年を担当する先生と相談をして、全クラス共通のワークシートを使って授業をお勧めします。

原則として、英語の授業は、各学校のCAN-DOリストに沿って、同一の目標と内容で行われなければなりません。つまり、同じ学校、同じ学年の同一科目の授業なのに、授業担当者によって、指導内容に大きな違いがあるのは好ましいことではありません。

けれども、実際のところ、同じ教科書を使って、進度だけはそろえるけれど、指導方法や指導内容は担当教員ごとに異なっている学校が大半なのではないでしょうか。あの先生は、授業を英語でやっているけれど、別の先生は訳読しかしないとなると、不満を持つ生徒が必ず出てきます。

このような状況を変えるのが、ワークシートなのです。他の先生と共通ワークシートを使うことで、同じ学年の英語の授業内容をそろえることができます。要するに、学年全体の英語の授業を同じ「型」にはめることで、指導内容を共通化するのです。

ただし、注意していただきたのは、共通のワークシートを使うからといって、他の担当者と完全に同じ授業をしなければならないというわけでありません。ベースラインは維持しつつも、各担当者の色は出すべきだと思います。

チームワークが生まれる

共通のワークシートを作るためには、指導方針や授業内容を話し合うことが必要です。もしかしたら、意見の食い違いもあるかもしれませんが、そうしたやり取り通して、ワークシートを作っていく過程で、同じ学年を担当する教員間で、連帯意識を持つようになり、チームワークが生まれます。

同僚との円滑な人間関係

共通のワークシートを使うことには、教員側にとってもう1つ大きなメリットがあります。それは、同僚の英語科教員と円滑な人間関係を築けるということです。

ワークシート作成という共通の目的のために集まり、話し合う機会が多くなると、普段からコミュニケーションを取りやすくなります。

共通のワークシートを作成するために、担当者で集まって、毎回ミーティングを行い、ワークシートの内容や構成について意見を出し合います。定期的にミーティングを開くと、同じ授業を担当する教員とコミュニケーションを図る機会が増え、同僚の英語の授業に対する考え方だけでなく、人間性などを知っていき、相互理解が深まります。

結果的に、空き時間に授業内容や指導の仕方について相談したり、情報供給がしやすくなるのです。

おわりに

新年度から英語の授業を英語でやりたいけれど、どうやって授業をするのか全くイメージできないと英語の先生は、ワークシートを準備すれば、安心して英語の授業を英語で行えるようになります。

また、ワークシートは他の授業担当者と協力して作成しようと書きましたが、共通ワークシートを使うことを拒む同僚の型いらっしゃるかもしれません。そういう先生がいたら、このブログに書かれていること説明してみてください。それでもダメならば、その先生以外の先生で共通ワークシートを使用するしかないかもしれませんね。

これから英語で授業を行おうと考えている先生は以下の記事も参考にしてください。

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